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2012年10月29日

【Opinion】スマホアプリで儲けるには


このタイミングで仕事を失いましたdommyです。
不景気ですからね。仕方がない。
こんな事を書くとリクルーティングとか来そうですが、間に合ってます。
ごめんなさい。(誰もお前なんかいらねーよとか言われそうですが)

これからもコツコツと儲からないアプリを作っていきます。
iPhone、Androidのアプリ開発に携わってきて、
アプリで儲けるって難しいと感じましたが、
まだまだ可能性があるので、収益化に関する考察を書いてみようと思います。

今回は長いです。

方法論

アプリの収益化に関して、大きく4つの方法があると思っています。

  • ダウンロード課金型
  • アイテム課金型
  • 月額課金型
  • 広告表示型

この4つそれぞれ収入と額に特徴があるので、分けて考えています。
必ずしも1つのみアプリに採用するという方法では無く、
複合で考えてもらって構わないのですが、
複合にするメリット・デメリットもまたあります。

それぞれについての考察は下記になります。

ダウンロード課金

アプリをストアからダウンロードする際にユーザが課金する。
利用継続の為にユーザは追加でお金を払う必要は無く、
1度支払いが済めば、同じアカウントで再ダウンロードも可能。

この方法のメリットはユーザが継続利用してもしなくても、
収益には関係してこない事である。
1度ダウンロードしてしまえば、
その後、ディベロッパへは売上が無いので、
継続利用はサーバ等の負担を考えると邪魔になってしまう。
継続利用を目的としていないアプリはこの方法による収益化を考えてみよう。

ただし、ダウンロード課金にはデメリットも多い。

まずダウンロードされない
ユーザ目線で言えば、基本的に無料アプリを最優先に探す。
人の評価を聞いたとか、使ってみたいとか思わない限り、
1円でも初期コストが掛かるアプリに関しては興味が無い。
ユーザからすれば、初期投資に対してのリターンが本当に得られるか分からないし、無料で同様の機能を持つアプリがあるかも知れない。
そう考えると、初期コストの掛かるアプリはデメリットでしかない。

また、ディベロッパー側にもあまり良い事は無い。
サーバを持たないアプリ、例えば辞書や書籍は良いが、
サーバをもつアプリの場合、ランニングコストを上回る利益を上げるのが難しい。
毎月、ほぼ同じ数のアプリがダウンロードされるか、
ダウンロード数が右肩上がりで、
月毎にランニングをペイ出来ている状態ならばまだ良く、
そもそも、有料アプリは無料の10分の1程度しかダウンロードされないので、
ペイ出来る状態にする事が難しい。
サービス継続自体が難しい課金方法と言える。

また、有料アプリなので、ユーザサポートはした方が良い。
その為にバグの修正や、追加コンテンツを開発する為には
人件費もろもろが掛かってくる。
ランニングをペイ出来るだけではトータル赤字になる。

そういう意味で、ダウンロード課金は書籍や辞書等の、
リアルな世界で1度支払えば追加で払う必要の無い形のアプリに
適していると考えられる。

個人的にはclearやweathercubeのように、
挑戦的なUIをしているアプリにのみ課金している。
これらのコンセプトアプリは継続的な利用が見込めないので、
ダウンロード課金で間違っていないように思う。



アイテム課金

ゲームに多く見受けられるこの方法だが、
LINEのスタンプ等の追加コンテンツもアイテム課金であるし、
アプリ内ポイントを購入させるのもアイテム課金のひとつの方法である。

アイテム課金の場合、ダウンロードは基本無料となる事が多い。
そこから、ユーザが追加コンテンツを楽しみたい場合に課金するので、
無料でもある程度使えて、継続的に使うユーザが多くないといけない。

ターゲットとなりうるのは20代〜30代の社会人だろう。
スマホ比率も高く、追加コンテンツを購入するだけの収入もある。
10代をターゲットとする場合は厳しく、
無料で遊べる範囲で我慢してしまうので追加コンテンツを購入してくれない。

また、ソーシャルゲームなどの、ユーザ同士の競争力を煽るアプリの場合、
課金比率は低くとも、少ないユーザが高額の課金をしてくれる事もあるので、
全体的なARPUを上げ、売上を立たせるという方法もある。

こちらはベースとなる継続利用ユーザが多くないといけないし、
課金コンテンツ専用のDLサーバなどを用意する必要がある。
その点は一過性のDL課金アプリよりもランニングの負担が大きくなるだろう。

また、広告表示のロック解除なのをアプリとして販売する方法もあるが、
広告収入が見込めなくなる事も考慮しなければいけない。

なかなかユーティリティー系のアプリでは、この方法での収益化は難しいが、
ソーシャルゲームに限らず、エンターテインメント性の強いアプリでは、
この方法は必ず戦略的に導入しなければいけない方法だと思う。

月額課金

全機能、もしくは特定機能のみを月額定額制にして、
毎月、特定の利益を得る方法がこの月額課金に当たる。

この方法は最近Androidにも導入されたのだが、
AndroidとiPhoneで月額課金の利用規約が違うので、
両OSリリースを検討しているアプリでは注意した方が良い。

iOSの場合、ニュース記事等の毎月更新される情報に対してのみ、
月額課金の方法を取る事を許されている。
細かくは個人で調べてもらいたいのだが、
月額課金の方法を取れるアイテムに制限がある。

Androidの場合はiOSとは違い、アイテムの種類に関して制限は無い。
例えば、広告が表示されるアプリで、広告を非表示にしたい場合、
月額100円で広告を外し、支払いが無ければ広告を再度表示する
というような事が可能である。

この特性の違いから、AndroidとiOSの両OSへのリリースがある場合、
情報資産にのみ月額課金をした方が良い。
また、Androidのみの場合は、アイテム課金で購入させるようなアイテムでも
月額課金を検討した方が良いと思う。

ただ、モバイル上で月額課金の文化があるのは日本のみである。
iモードのお陰で月額300円程度なら普通だと思うが、
日本以外の国ではモバイルにお金を使う文化自体が無く、
月額課金ユーザの比率は少なくなると見込める。

広告表示

アプリの最下部か最上部にバナー広告を貼る方式である。
この形式を取っているアプリが一番多いのでは無いだろうか。

アプリの場合、CTRは大体0.1〜0.2%前後、
単価は国内では10円、海外では国によって違うが日本より安い。
CTRは特にアプリの内容によって大きく変わる。

先日、Googleから発表された内容でも、
モバイル広告の収益はPCに比べて悪いと発表された。
株価急落のグーグル:「モバイル広告は儲からない」

実際、想像以上のユーザが継続して使ってくれないと、
広告で儲けるのは難しい。

継続して使ってくれていても、慣れるとクリックはしなくなるし、
モバイルで情報を見る場合というのは、
目的の情報以外にはあまり目が行かないらしい。

とはいえ、広告を表示する事でアプリ本来の機能を無料で提供できるのであれば、
学生をターゲットとしたアプリには向いているかもしれない。

また、一過性のアプリで無ければ、
1度アプリをリリースしてしまえば、
放置していても継続的な収益が見込めるのも利点である。

ただし、画面サイズを考慮すると、小さな画面で、
広告が10分の1以上のスペースを取るので、
操作性が悪くなるというデメリットは考慮しなければいけない。

まとめ

以上、大きく4つを紹介させていただきましたが、
アプリによって向いてる方法と向いていない方法があります。
アプリの内容、ターゲット、原価等を考え決めていくのが良いです。

一番儲かりそうなのを率直に言うと、
強力なコンテンツを用意したエンターテインメント性の高いアプリで、
アイテム課金を極力細分化し、メニューを多く用意する。
という方法だと思います。

でも、強力コンテンツってなかなか無いんですよね…

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